映画を見ていじめを考えよう

今や学園ドラマの定番要素の一つであると行っても過言ではなくなった「いじめ」。
特にテレビの連続ドラマを見ていると、このテーマがなければ、10回以上にも渡って放送出来るだけの体力をもたなくなってしまうのではないかとすら感じるくらい、物語のいつかどこかに使われています。

ではでは、映画はどうかと考えてみると、確かに、その傾向はいなめませんが、こちらは、小説やテレビドラマがヒットした事に伴い映画化される作品も多いため、その場合は、先にそうした媒体がいじめを盛り込んでいれば、自然とそれを引きずる形になってしまうのでしょう。
後にお騒がせ女優となった沢尻エリカが主演を勤めた「問題のない私たち」などは、その典型的例で、小説がコミック化され、最終的に映画化されたというパターンでした。

確かに、こちらの作品は、生徒間同士のいじめだけで泣く、教師のいじめも登場し、次々とそのターゲットや内容が変わって行く、いかにも、最も心情の変化が激しい世代の子供たちを取り巻く環境の変化と、それに付随して展開されるいじめの変動というのがよく描かれていたと思います。
転校生がいじめのターゲットになる!
加害者が被害者になる!
そして、教師が教室を牛耳ろうとする!
いずれも、今の世の中、いつ、どこの学校に起こっても不思議ではない事であると言えるでしょう。

正に人ごとではなく、こういう作品を見ると、少なくとも、自分はあのような物語の渦中の人にはなりたくないと思うのが自然の心理だろうと思われます。
そして、自分は大丈夫、私の子は大丈夫、うちの学校は大丈夫と思い込んでしまうと言うよりは、思い込む事により、一つの暗示を掛けようとするのです。

ですが、こうした作品を見た後に、多くの人が考えさせられるのはそこまでで、気がつけば、そんな事を思った事すら忘れてしまっています。
何故なら、やはり最後には、一応それなりに状態が落ち着くようになっていて、その先を考えるチャンスも必要性も与えないからです。

けれど、本当に大事な事は、いじめが解決された後、当事者たちがどうなったのか?
本当に一件落着し、円満解決しているのか?
誰もが幸せな人生を送っているのか?
という事を考える事であって、そこに重点を置いた指導をしない限り、いじめはなくならないものと私は考えます。

そこで、個人的に是非お勧めしたいのが、阿部寛主演の「青い鳥」という映画!
こちらは、大きないじめ問題が落ち着き、平穏無事な日々が戻って来たように見える中学校に、一人の臨時教諭が赴任してくるところから物語が始まります。
彼が担任を持つ事となったクラスは、嘗て、いじめによる自殺未遂者を出したクラス。
結局その子が転校する事で状況は落ち着き、平穏無事な学校生活が戻っているように見えるという設定で、恐らく、いじめ問題が起こった多くの学校で、よく見られる背景でしょう。

何しろ、穏便に、そして、より確実にいじめを収めるには、加害者と被害者を遠ざけるのが最も手っ取り早く、特に被害者を転校させる事は、オーソドックスな作戦の一つであると言っても過言ではありません。
しかし、果たして、それで本当に解決となっているのかどうかは実に微妙で、実際には、当事者たちの心の中の傷や蟠りは、解消されるどころか、益々深く定着しているかも知れないのです。

にも関わらず、それを持っておしまいという形を取ってしまえば、彼らは、それをそのまま、一生引きずって生きて行かなければならなくなり、それが将来、ふとした時に顔を出し、新たな問題や事件に発展する事も大いに考えられます。
だからこそ、絶対にそのままにしておいてはいけないというのが、この映画の主テーマで、その面倒で厄介な真の後始末に一人で挑もうとする新任教師と、いつしか、彼の姿に、自分の本音を語り出す加害者の少年。
この2人の心の動きの変化に伴う表情の変化というものに、是非注目しながらとくとご覧頂きたいものです。
そして、見終わった後、いじめの将来というものを家族や同級生たちと語り合って頂きたいと思います。

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