生命保険と2人の学者の話

今年4月に施行された保険法によると、”生命保険契約については、保険契約のうち、保険者が人の生存又は死亡に関し一定の保険給付を行うことを約するもの(傷害疾病定額保険契約に該当するものを除く)をいう”と定義されています。ようするに、生命保険とは、私たちの生命や傷病に関わる損失を保障してくれるものであって、日本の場合だと、保険者である保険会社と契約すれば、それは、死亡などの所定の条件において受取人に保険金を支払う事を約束してくれるという事です。ところで、この生命保険、考え出したのは、イギリスの2人の学者だったってご存じですか?そもそも、生命保険の始まりは、今から遡る事300年以上も前の17世紀末期、英国にあるセントポール寺院の牧師さんたちが、自分たちの葬式代をまかなうための積み立てというのを始めました。今では、冠婚葬祭を取り扱うイベント会社がよく受け付けているタイプの積み立てですね。ところが、当時は全ての人が同額の金額で積み立てを行なっていたため、たまたま余命の短かった高齢者は、それほど沢山払わないうちに旅立ってしまい、保険金を受け取るという形になってしまう事が多く、若い牧師からの不平不満が相次ぎました。そんな折、1人の学者が、実際に調査し、年齢ごとに生存している人と死亡した人の割合をまとめた寿命の統計データ、人間の生命表というのを作成しました。これはサイコロを振る回数が増えるにつれてそれぞれの6つの目の出た回数は6分の1に限りなく近づいていくという「大数の法則」を元にしたもので、人も大勢集まると、年齢ごとの死亡率はおおむねはっきりするというものです。つまり、各年齢ごとの保険料を払う人の数と保険金を受け取る人の数が推定出来る事になる訳で、この統計から死亡率に応じた保険料というのが考えられるようになったのです。この人間の生命表を作ったのは、ハレー彗星の軌道計算や南天星表の発表で知られる天文学者、エドモンド・ハリー。天文学者が今の生命保険の原型となる研究をしていただなんて、ちょっとビックリですね。その後、1762年に同じくイギリスの数学者、ジェームズ・ドドソンによって、英国最古の保険会社といわれるエクイタブル生命が設立される事となりました。そして、そこで取り入れられたのが、現在の平準保険料というシステムです。保険料には、年齢と共に上がる死亡率により、年々保険料も上がって行く事になる「自然保険料」があり、あくまでもこの金額が基本となる訳ですが、その保険料を契約期間に応じて平均化して支払う事とすると、最初のうちは必要以上に払わなければなりませんが、その余分に支払っていた分があるお陰で、年を取っても、若い頃と同じだけの金額で、若い頃と同じだけの保障が受けられます。実によく考えられたものだと思いませんか?ドドソン博士は、もともと自分が生命保険会社に加入を断られた事に奮起して、このシステムを編出したそうですが、残念ながら彼はエクイタブル生命の創立を待たずして、この世を去ってしまいました。そういう意味では、当時から保険会社の人たちの先見の目はかなり優れていたと言えるのかも知れませんね。

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