pixta_14811055_M

育児ノイローゼは精神疾患です

“もう育児ノイローゼになりそう!”、よく、こんな事を言うママがいますが、そうやって騒いでいられる間は、まだまだ大丈夫! 何しろ、育児ノイローゼというのは立派な疾患であって、ただのストレスなんていう容易なものではありません。故に、こうやって文句を言っていられる間にしっかり予防する事が絶対なのです。
◆育児ノイローゼは疲労蓄積でもストレス蓄積でもない
育児ノイローゼと聞くと、慣れない赤ちゃんの世話と家事に追われ、疲労が蓄積し、ママがイライラしたり、ぼんやりしている姿を思い浮かべられるパパも多い事でしょう。また、子供が泣き止まない、寝てくれないなど、自分の思い通りにならない事や自分の時間が取れず、やりたい事が出来ないなどと言った事からストレスが溜まり、情緒不安定に陥るものだと思っておられる方も少なくありません。しかし、真の育児ノイローゼというのは、決してそんな甘いものではなく、ホルモンバランスの乱れから引き起こされる立派な疾患なのです。

■育児ノイローゼはホルモンバランスの乱れが原因だった!
今ではすっかり聞き慣れたPMSこと月経前症候群や更年期障害は、黄体ホルモンと呼ばれるプロゲステロンと、卵胞ホルモンと呼ばれるエストロゲンのバランスが乱れたために発症するもので、自律神経に支障を来すため、情緒不安定になり、落ち込んだり、イラだつ事があるのだとされています。そして、その事は、男性にも広く理解されるようになったところですが、実は、それと同じような現象が、新米ママの体の中でも起こっているのだという事は、まだまだ知られていないところ! しかも、その症状が、ただの疲労で、不平不満にしか過ぎないと受け取る方も大勢いらっしゃるのですから、困ったものです。
◆産後に乱れるホルモンバランス
女性の体は、妊娠中と出産後では、確実に必要とされる事が違って来ます。何故なら、赤ちゃんがおなかの中にいる間は、胎児の体そのものを守るため、子宮に多くの神経とエネルギーを注ぎ込んでいる訳ですが、産後は、授乳のため、母乳を作る事に労力を注がなければならないからです。そのため、一気にエストロゲンが減少し、プロラクチンという聞き慣れない名前のホルモンが多量に分泌されるようになり、ママの身体は大きく変わります。そこで、誰もが精神的に不安定で、辛いというのが実態なのです。
◆プロラクチンの分泌
因みに、妊娠中はおなかの中の赤ちゃんを守ると同時に、乳腺や乳管を発達させ、将来の授乳に備えるべく、エストロゲンは盛んに分泌されています。しかし、出産時に胎盤と一緒に多量に体外に排泄されてしまうため、直後は極端に不足する状態になってしまうのです。そこで、本来なら、早速どんどん生成し、分泌しなければならないのですが、困った事に、母乳を作るプロラクチンというホルモンは、エストロゲンとは犬猿の仲にあると言っても過言ではありません。そのため、互いが互いを抑圧してしまうのです。
◆プロラクチンvsエストロゲン
妊娠後期に入ると、赤ちゃんがいつ生まれて来ても、母乳で生き延びられるように、ママの体は、プロラクチンを活発に分泌し始めます。ただ、ベビー誕生まで母乳が少なくとも、流出するほど大量に作られないのは、エストロゲンが押さえ込んでいるからに他なりません。されど、出産と同時に、そのエストロゲンが一気に放出されるのですから、その後は正にプロラクチンの天下! しかも、赤ん坊がママのおっぱいを一生懸命飲めば飲むほど、どんどん母乳を作らなければならず、必要不可欠となるホルモンです。そこで、その活動を阻止するエストロゲンの分泌が抑えられてしまうため、女性としてのママの体は思わしくない状態が続くという訳です。

■育児ノイローゼは病気である
元々出産は、スタミナのある20台の女性でも、命がけの大仕事! 産後は心身ともに疲弊し切っているはずです。ただ、それ以上に、生まれて来た可愛い赤ちゃんの姿に癒やされ、幸せを感じているため、それほど苦痛を感じないのでしょう。けれど、体はちゃんと知っています。そこにホルモンバランスの変化が加わるのですから、おかしくならない方がおかしいのです。
◆「産後鬱」の浸透
どんなに元気でハッピーなママでも、産後のホルモンバランスの変化は避けて通る事は出来ません。それプラス、慣れない育児による疲労やストレスが蓄積されれば、情緒不安定になるのは当たり前で、これを日本では長年、育児ノイローゼと称して来ました。しかし、昨今では、ようやく「産後鬱」という病名が浸透し、PMSや更年期障害と同様、婦人病の一種としての地位を確立して来たのであります。

■早期治療のお勧め
育児ノイローゼに比べ、産後鬱という故障は、病気としての認知が容易で、周囲が理解しやすいというメリットは大きいでしょう。けれど、実際には、まだまだ、心身ともに疲弊し切り、完全に発病している状態であっても、医師の診察と適切な治療を受けようとされない方が圧倒的多数! そこには、未だ理解乏しい日本の現実が見て取れます。
◆児童虐待の起点は育児ノイローゼである
育児ノイローゼは立派な病気、精神疾患です。そうなると、子供がある程度大きくなっても、ママの心身状態は改善されるどころか、むしろ、悪化している可能性も低くはありません。何しろ、子供というのは、いくつになっても、親にとっては手と心配の掛かる生き物なのです。歩き出したら歩き出したで、目が離せなくなって疲れるとか、学校へ行ったら行ったで、成績が上がらずイライラさせられるとか・・・、正に親の心子知らずで、次から次へとストレスの種を蒔いては花咲かせてくれます。結果、それが児童虐待へと繋がって行く事も大いに考えられるのです。ですから、児童虐待を防ぐには、まずは育児ノイローゼを防ぐのが絶対条件で、それには、いかなる時も、余裕を持って育児を楽しむ事が大事! そのために、頼れる先輩や仲間作りを大切にし、それでも危ないと思ったら、早期に専門医やカウンセラーの指導を受けるようにしましょう。

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 089986
    ゴールデンウィークが終わると、季節は初夏です。最高気温が30度以上になる真夏日を記録した地域もあ…

おすすめ記事

  1. pixta_12995154_M
    自分が悩んだり、どうにも行き詰まってしまったときには、本を読むのがおすすめです。同じ人間は一人も…
  2. pixta_17490654_M
    冬になると空気が乾燥します。すると乾燥肌に悩まされます。お化粧ののりがよくない?一方で乾…
  3. 010
    1月8日、livedoor等のニュースサイトでも記事が挙げられていましたが、とあるtwitterユー…
PAGE TOP